大会長あいさつ

 

 このたび日本心理療法統合学会の第6回学術大会を神戸において開催致します。2021年の第1回大会当初はコロナ禍でのオンライン開催からスタートした本学会の学術大会は、第3回大会より待望の対面現地開催が実現し、昨年の第5回大会からは2日間開催と拡大されて参りましたが、今大会でもその歩みを受け継ぎ2日間に渡っての開催です。

 大会テーマは「心理療法統合の学びと育ちの道程、アイデンティティ」です。

 セラピスト自身が統合的であろうとする出発点は、目前の多様なクライエントの多様な困りごとに対してできる限りお役に立ちたいという動機あるいは臨床上の必要性によるものと思います。クライエントの改善に少しでもお役に立てるように、というセラピストからクライエントに向けて(同時にセラピストが自身に向けて)のひたむきで健気な願いを込めて、多様な理論や支援を学び、提供できる支援の選択肢を増やすことが始まる出発点は多くの方々が共通するであろう一方で、その道のりは様々でもあります。とりわけ初学の頃ほど自身の不安と焦りのために、クライエントの改善が見えやすい即効性のありそうなアプローチを多々求めて転々としてしまいがちかもしれません。統合的なアプローチをどのように習得し実践し続けていくかを議論、整理し、セラピスト自身が成長発達していく中で専門的な支援者の在り方としてどのような発達があるのか、あるいは変わらずあり続けるものは何かを考え議論する機会にしたいと思います。また、「統合」の完成形や到達点はない中でその道のりを眺め直し、統合的であることの多様性と独自性を探ることができたらと思います。

 神戸は市街地から至近に六甲山と神戸港を臨み、街と自然の景色が共存しています。また港町である神戸は西洋、東洋の多文化が共生する街です。そしてその湾岸にある人工島ポートアイランドは産業・医療・文化の交流の拠点として発展してきた多機能都市です。会場となる神戸女子大学ポートアイランド・キャンパスは新幹線新神戸駅から30分、神戸空港から20分と、全国各地からお越しに利便性のよいロケーションです。

 多様性に開かれ共生してきた歴史をもつこの神戸の地で、心理療法においても多様なクライエント、多様なアプローチにオープンな態度で対話と交流が促進される機会となりますよう準備を整え、皆様との交流で学び深め合えますことを楽しみにお待ちしております。


日本心理療法統合学会第6回大会

大会長 巣黒慎太郎